「私たちの役目は、現場の声をもっと世に伝えること。この活動を通じて自分たちの仕事が、社会に必要とされていることに誇りをもって貰えたら嬉しいですね」(ダイキ精工・齋藤早苗さん) - EVEBOT JAPAN STORE

「私たちの役目は、現場の声をもっと世に伝えること。この活動を通じて自分たちの仕事が、社会に必要とされていることに誇りをもって貰えたら嬉しいですね」(ダイキ精工・齋藤早苗さん)

ダイキ精工株式会社

左)プリントポッズと天秤風鈴を持つ代表取締役社長 齋藤宏和さん

右)プリントポッズで印刷されたパッケージを持つ同社 齋藤早苗さん


愛知県小牧市に“金型”に一生を注いできた企業があります。22歳から65歳まで、従業員はわずか6名の言わば町工場が、2023年2月で創立50年の節目を迎え、新しい取り組みを始めました。


「クラウドファンディング」です。


『私たちの仕事は、あくまで金型作りです。しかし、クラウドファンディングでチャレンジしたのは“風鈴”です。私たちが、金型を作るために得意とする「アルミを削りだす技術」を応用して、オリジナルの“アルミ風鈴”を開発しました』(ダイキ精工代表・齋藤宏和)。


削り出し。彫刻をイメージしてもらうとわかりやすいでしょうか。軽くて丈夫でさびにくいとされる硬質アルミニウム材を用い、機械を使ってアルミを削り出します。「金型作りの技術を応用する感じで風鈴を削り出すことに成功しました」と、彫刻師のように匠の技を駆使し、秀逸な作品に仕上がりました。


■社員や家族が喜んでくれたのが一番の収穫

https://www.makuake.com/project/daiki_seiko/


クラウドファンディング(以下クラファン)の結果は支援者が62名。支援額が170万円を超える結果となり、クラファン初挑戦にしては、上々の出来だったそうです。「利益はほとんど無いですけどね」と話すダイキ精工の齋藤早苗さんは、利益云々よりもクラファンというものがどんな物なのかを経験できたことが一番の収穫だったと言います。


「金型では伝わらなかったことが、生活の一部になる製品にチャレンジしたことで身近になり、多くの人に伝わったと思うんです」


クラファンで発表した作品の一部は、天秤のように揺れながら音を鳴らす風鈴。金型と同じ硬質アルミニウム材を用い、絶妙な厚さ・形に削り出された風鈴は、ダイキ精工の技術の賜物。その技術がテレビ局の目にも止まり、テレビ取材が入るほどの盛況ぶりでした。「嬉しかったのは、放送を観た社員や家族から喜びの声があがったことですね」(ダイキ精工代表・齋藤宏和)。


DAIKI NEXT (daiki-next.com)


技術だけではない、現場力の素晴らしさを実感

愛知県・小牧市は製造業が多い街。ダイキ精工の取引先も法人企業のみ。作ったことが無いコンシューマー製品。現場の人達は、これまで以上に神経をとがらせて物づくりに励んでいたと言います。「傷が無いか、組み立てた時に音はどうか、バランスはどうだなど品質管理には気を使いました。金型であればそれほど気にしなくて良い外観にも、傷があっては大変だと、スタッフは一つ一つピカピカに磨き上げていました」(ダイキ精工・齋藤早苗)。また多くの注文をいただいたおかげで、数がある製品を効率よく製作できるよう、生産性を上げるために自分たちで工夫して仕事をしていたといい、技術だけではない、現場力の素晴らしさを実感したようです。

その天秤風鈴の販売価格は税込19,500円と、2万円近くするもの。その価値を感じてもらう為に外箱や梱包材にもこだわりました。「外箱へのロゴ入れも小ロットのため印刷代が高くなってしまう。どうしたらよいか考えた時、プリントポッズが思い浮かんだ」(ダイキ精工・齋藤早苗)と言います。


「おかげ様で大活躍でした」


プリントポッズを利用して蓋と底にロゴや社名を印刷。“ハンコ”のように仕上がった雰囲気も天秤風鈴のブランドに合っていると話していました。


EコマースやPRを強化して私たちの技術を伝えていく

「私たちが伝えたいのは技術力。私たちの技術に共感してもらい、一緒に働いてみたいと思う人達を増やしていきたい。最近、採用が2名決まりました。面談時にクラファンの取り組みを話したのが良かったのかもしれません」(ダイキ精工代表・齋藤宏和)と、クラファンをうまく活用すれば、企業PRにも繋がるだろうと考えているようです。


「こんなこと、アルミでやってみたらどうかな」

「アルミで玩具を作ってみたらどうか」

「サブスクで提供することで、リユース、再生など、サスティナブルな取り組みができるのではないか」

「幼稚園、学校、介護施設に提供できないか」



クラファンをきっかけに意見も活発になったそうです。「私たちの役目は、現場の声をもっと世に伝えること。この活動を通じて自分たちの仕事が、社会に必要とされていることに誇りをもって貰えたら嬉しいですね」(ダイキ精工・齋藤早苗)。


50周年という節目に実施したチャレンジ。第二弾のクラファンも計画中とのことで、ダイキ精工のチャレンジは続くようです。「クラファン第二弾を通じて、EコマースやPRを強化し、より沢山の人達に私たちの技術を知ってもらえたらと考えています」(ダイキ精工・齋藤早苗)。


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会社名 ダイキ精工株式会社(英語表記 Daiki Seiko Co., Ltd)

設立 1973年2月(昭和48年)

事業内容 ロストワックス用精密金型の設計・製作。各種部品加工。

住所 〒485-0827 愛知県小牧市文津天王塚642-2

電話番号 0568-72-8660

FAX 0568-72-8065

メールアドレス info@daiki-seiko.co.jp

ホームページ http://www.daiki-seiko.co.jp

オンラインショップ DAIKI NEXT (daiki-next.com)

公式LINE https://line.me/R/ti/p/@475jvarj?oat_content=url


  • 金型メーカー・ダイキ精工とは

1973年、愛知県小牧市でロストワックス製法用金型メーカーとして創業。金型一筋に50年。人々の豊かな暮らしを陰で支えるこの仕事に、誇りを持って歩んできました。


ダイキ精工が製造しているのは「ロストワックス製法用金型」という、金型業界でもあまりなじみのない金型です。通常の鋳物製造方法と比べて工程が多く、鋳物形状が複雑なため、業界全体でみるとかなり数が少ないです。しかし、この製法が必要な鋳物部品があり、それは大切なインフラで使用されています。私たちは、そんなロストワックス製法用金型を専業にして、50年歩んできました。


  • 「私たちの使命」とは

金型は、工場の中で使われ、表には出ません。ですが、人々の生活の中で使われるあらゆるものが、金型で作られています。


金型には、先人の知恵がたくさんつまっています。作業者の動きに配慮して、より作業しやすく、そしてより複雑な形状にも対応できるように、知恵を出し合い、技術を積み重ねてきました。私たちは、これからも、社会に必要で大切な仕事である金型製造を続け、社会を縁の下から支え続けていきます。


私たちは、これからも町工場だからできることに目を向け、強みであるお客様のニーズに合わせた丁寧な仕事の積み重ねを大切にしながら、チャレンジを続けて未来を拓いていきます。


以上

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